双極性障害

【双極性障害】

快活な気分が優位となる躁(そう)状態と、憂鬱(ゆううつ)な気分が優位となる鬱状態を相互に繰り返す病気。気分障害の一つで躁状態と鬱状態の中間の期間では正常な精神状態となっています。
躁状態の程度により双極Ⅰ型障害・双極Ⅱ型障害・気分循環性障害に分類されます。

〔躁状態〕

気分が著明に高揚した状態で、陽気で開放的になり、興奮したり怒りっぽくなるなどの状態が継続します。自信に満ちあふれ、いつもより多弁になるが、話題は次々と変わりまとまりにかけるのが特徴で、他人の意見に耳を貸さなくなるといった特徴もあります。また、自制がきかなくなり買い物やギャンブルに大金を使うなどして、社会生活に支障をきたすことも特徴です。

〔鬱状態〕

気分が落ち込み、感情・意欲・思考などの精神活動が低下した状態で、何事にも興味・関心を持てなくなり、不眠や過眠、食欲不振や過食、倦怠感などの身体症状があらわれます。容易に悲観的な考えにとらわれ、自殺衝動に捉われることもあります。鬱病や双極性障害(躁鬱病)などの気分障害のほか、身体的疾患や心理的ストレス、薬物の影響などによっても起きます。

〔気分障害〕

躁病・鬱病・躁鬱病など、気分の変調が持続することによって、苦痛を感じ、日常生活に支障が生じる精神疾患の総称。

♣双極Ⅰ型障害

双極性障害のうち、鬱状態に加えて、家庭や社会生活に重大な支障を及ぼしかねない激しい躁状態が起こるもの。

♣双極Ⅱ型障害

双極性障害のうち、鬱状態に加えて、家庭や社会生活に特に支障を生じない程度の軽い躁状態が起こるもの。

♣気分循環性障害

双極性障害のうち、軽い鬱状態と軽い躁状態が2年以上続くもの。

♣躁病

気分が異常に高揚し、開放的になったり怒りっぽくなったりする状態が続く精神疾患。気分障害の一つ。双極性障害(躁鬱病)の躁状態をいうことが多く、鬱状態を伴わず躁状態だけが繰り返し現れる場合もあります。
[補説]躁状態が4日間以上続く場合は軽躁、1週間以上続く場合を躁病と診断します。

♣鬱病

憂鬱な気分が持続的で、興味や喜びが感じられなくなる精神疾患。気分障害の一つで不眠や過眠、食欲不振や過食、頭痛、倦怠感などの身体症状を伴い、病状が進行すると、自分には価値がないと感じたり罪悪感をもつようになり、自殺を考えることもあります。

[補説]広義には気分変調症(持続性抑鬱障害)なども含まれます。また、双極性障害(躁鬱病)の鬱の病相をさしていうこともあります。