過敏性腸症候群

【過敏性腸症候群】

精神的ストレスなどによって、腸管の蠕動運動が亢進したり分泌亢進がおこることにより、下痢や便秘、腹部膨満感などの便通異常と腹痛が、慢性的に生じる症候群です。

症状のひとつとして下痢と便秘が交替性にみられる便通異常が持続し、腹痛を主とする種々の不定愁訴がありながら、それが説明できる器質的病変が腸管の内外にないものをいいます。
以前は、過敏性大腸あるいは過敏性大腸症候群と呼ばれていましたが、大腸だけに障害がおこる病気ではなく、消化管全体の機能障害をともなう病気であるため、現在は過敏性腸症候群と呼ばれています。
便通の状態により、便秘型、下痢型、下痢と便秘をくり返す交互型の3つに分類されます。
男女比は1対1.6で、やや女性に多く、男性では下痢型、女性では便秘型が目立ちます。

〔原 因〕

消化管運動や内臓知覚の異常、心理的ストレスに対する腸管の過敏反応、消化管ホルモンなどによる消化管の刺激、食物アレルギーなどの免疫異常などが、原因として推定されていますがはっきりとした原因は未だ明らかではありません。

〔日常生活と発症の関係について〕

不規則な生活習慣や生活環境の変化などが原因とることもあります。症状を悪化させる食品(コーヒー、香辛料など)の摂取は控えるとともに暴飲暴食を避け、規則正しい生活と排便習慣をつけることが予防となります。また、あまり神経質になることはよくありません。過労を避け、適度な運動、睡眠、休養をとり、心身ともにリラックスすることも予防に効果的といえます。

腸の運動機能異常のため、長期にわたり下痢や便秘、あるいは両者の反復症状をきたした状態で心因性によると考えられています。以前は過敏性大腸症候群とよばれていましたが、腸全体の機能異常であることから過敏性腸症候群とよばれるようになりました。